●新・人間革命より
一つには、信心の力を痛感する、生活のうえでの体験を、
どれだけつかんでいくかです。
体験ある人は強い。
それは、御本尊の力を生命で感じているからです。
理論的に、仏法を理解していくことも大切ですし、
それが精進の力になることも事実です。
しかし、それだけでは弱い。
頭でわかっていることと、
生命の実感とは異なります。
剣道や柔道にしても、単に試合のルールを覚え、
練習の仕方がわかれば、それで強くなれるというものではない。
実際に、練習を重ね、試合も数多く経験していくなかで、
“こうやれば勝てる!”“こういう場合には、こうすればよい”
ということを体で覚え、生命で感じていくことができる。
それで、技が磨かれていくんです。
信心も同じです。体験は確信を得る直道なんです。
人生には、小さなことから、大きなことまで、さまざまな
試練や悩みがあるものです。仕事や人間関係、子育てなどに
行き詰まることもあれば、不慮の事故に遭遇したり、病で
苦しんだりすることもある。
あるいは、“なかなか弘教が実らずに悩んでいる”という方もいるでしょう。
そうした一つ一つの悩みや試練を、自身のテーマとして
見すえ、懸命に唱題し、学会活動に励んでいくんです。
そうすれば、悩みは必ず克服できます。
一つ、また一つと解決していくこともあれば、大聖人が
『地獄の苦みぱっときへて』(御書一〇〇〇㌻)と仰せのように、
一挙に悩みが解決することもあるでしょう。
また、自分を悩ませていた問題は続いていたとしても、
それに翻弄されて苦しんだり、そのことに負けたりしない自分を、
確立していくことができるんです。
境涯革命することができるからなんです。
そうした体験の積み重ねが、仏法への確信を深め、強めていくんです。
頭でっかちになるのはみっともないですね。
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